不動産投資ローンと住宅ローンは、似ているようで目的や仕組みが異なります。不動産投資ローンは家賃収入を得る投資用物件の購入に使われ、住宅ローンは自宅購入に限定されます。それぞれの違いを理解することで、自分の目的に合ったローンを選ぶことが可能です。ぜひ本記事の内容を参考にして、不動産投資ローンに関する理解を深めてください。
不動産投資ローンと住宅ローンの違い
不動産投資ローンと住宅ローンは、一見似ているように思えますが、物件の目的や返済方法、審査基準などに大きな違いがあります。その違いを具体的に見ていきましょう。
借入の目的
まず、借入の目的が異なります。住宅ローンは自分が居住する自宅の購入や増改築のためのローンであり、賃貸経営を目的とした物件購入には利用できません。一方、不動産投資ローンは家賃収入を得る収益用不動産の購入のために組むローンであり、返済原資も家賃収入が中心となります。
住宅ローンでは給与収入が返済の基本となるため、個人の属性が重視され、貸し倒れリスクは比較的低く金利も年利0.5%〜2%程度と低めです。不動産投資ローンでは、返済原資が家賃収入であるため空室リスクや家賃下落リスクがあり、金利は一般的に年利1.5%〜4.5%程度と高めになります。
融資金額
融資金額にも差があります。住宅ローンは年収の5倍〜8倍が上限ですが、不動産投資ローンは年収の10倍〜20倍まで借りられることもあり、給与収入や貯蓄に加えて物件の収益性も加味されます。融資審査の内容が異なる点にも要注意です。住宅ローンでは個人の年収や勤続年数、貯蓄額、他社借入、金融事故の履歴などが重視されますが、不動産投資ローンでは個人の属性に加え、物件の立地や築年数、家賃設定、過去の売買履歴など収益性も審査されます。
契約の制限
また、契約の制限にも違いがあります。住宅ローンは自宅用のローンであるため法人名義では契約できず、返済原資が給与収入のため年齢制限が65歳〜70歳未満程度に設定されます。一方、不動産投資ローンは法人名義で契約可能です。返済原資が家賃収入であるため、物件の収益性や資産状況によっては70歳以上でも借入できる場合があります。
不動産投資ローンを組んでいると住宅ローンを組めないって本当?
不動産投資ローンを組んでいる場合でも、必ずしも住宅ローンが組めなくなるわけではありません。ただし、不動産投資ローンは高額の融資であることが多く、年収の10倍〜20倍の借入が可能なため、すでに返済額が大きい状態になります。住宅ローンの審査では、金融機関は個人の返済能力を重視するため、他社からの借入が多いと審査に通りにくくなる傾向があります。
つまり、すでに返済能力の上限に近づいている場合、住宅ローンの審査は厳しくなる可能性があるのです。しかし、条件次第では住宅ローンを受けることも可能です。住宅ローンの上限は年収の5倍〜8倍が目安であり、返済比率が過度に高くなければ審査に通るケースもあります。
返済比率とは、年間返済額が年収に占める割合のことで、金融機関によっては不動産からの家賃収入も給与収入と合算して考慮されます。そのため、不動産収入が十分にある場合は、住宅ローンの審査でも有利に働くことが多いです。
自宅と投資用物件はどちらを先に買うべき?
不動産投資ローンと住宅ローンの両方を利用して物件を購入したい場合、どちらを先に組むかは重要なポイントです。理論上は、先に不動産投資ローンを組む方が有利とされています。不動産投資ローンで収益用不動産を購入すると、家賃収入が発生し、この収入を年収としてみなす金融機関も少なくありません。その結果、住宅ローンの審査での返済能力が高く評価され、融資の上限額が引き上げられる可能性があります。つまり、投資用物件を先に購入することで、後から組む住宅ローンの融資枠にも余裕が生まれるのです。
逆に、住宅ローンを先に組んでしまうと、借入額が個人の返済能力に影響するため、不動産投資ローンで借りられる金額が制限され、希望する融資額を確保できないことがあります。ただし、実際には金融機関によって審査の考え方や返済比率の計算方法に違いがあるため、個人の収入状況や資産状況によって最適な順序は変わることがあります。そのため、不動産投資や住宅購入を検討する際は、担当者や金融機関に事前に相談し、自分の状況に合った融資計画を立てることが重要です。
まとめ
不動産投資ローンと住宅ローンは、似ているようで目的や仕組みが大きく異なります。住宅ローンは自宅購入のためで返済は給与収入が中心、低金利で個人の属性が重視されます。一方、不動産投資ローンは収益用物件の購入のためで返済は家賃収入が原資となり、金利は高めですが融資額は大きく、物件の収益性も審査対象です。また、不動産投資ローンを組んでいても住宅ローンは条件次第で組めますが、返済比率や収入状況が重要です。両方のローンを活用する場合は、先に投資用物件を購入することで住宅ローンの審査に有利になることが多く、計画的な順序と専門家への相談が成功のポイントです。

