ペット可物件への投資はリスクがある?投資する魅力と注意点を解説

公開日:2026/03/15
ペット可物件への投資

不動産投資では、時代やライフスタイルの変化を的確に捉える視点が欠かせません。近年、不動産投資で注目を集めているのがペット可物件です。ペットを家族の一員と考える人が増える一方、対応物件は不足しており、投資対象としての可能性は十分に高いといえます。ただし、投資を行う前にリスクも正しく理解することが重要です。

ペット可物件は需要あり?投資先としての魅力

不動産投資では、時代やライフスタイルの変化に即した需要を捉えることが重要です。近年、その中でも注目を集めているのが「ペット可物件」です。一般社団法人ペットフード協会の調査によると、犬の飼育率は減少傾向にある一方、猫の飼育率は増加しています。また、将来的にペットを飼いたいと考えている層は依然として多く、2021年時点で犬は18.4%、猫は15%と高水準です。とくに20代では犬21.6%、猫16.6%と、若年層での飼育意向が目立ちます。その背景には、少子高齢化や独身者の増加、都市部への人口集中といった社会構造の変化があります。

さらに、2020年以降のコロナ禍により、在宅時間が増えたことでペットが精神的な支えとなり、存在価値が再認識されました。実際、犬の飼育者の36.5%、猫の飼育者の42%が「ペットによって日常がより豊かになった」と回答しています。一方で、需要に対して供給は十分とはいえません。集合住宅ではペット飼育が制限されているケースが多く、飼育意向がありながら飼えていない理由として「集合住宅で禁止されているから」と回答した人は、犬で19.3%、猫で25.0%にのぼります。これはペット可物件が慢性的に不足していることを示しています。

さらに、2024年の調査では犬の飼育頭数約679.6万頭、猫約915.5万頭、合計約1,595.1万頭と、ペットが「家族の一員」として定着している現状が明らかになっています。しかし、LIFULLの調査によると、賃貸物件全体に占めるペット可物件の割合は2025年3月時点で約19.3%と、2割未満にとどまっています。このように、明確な需要と相対的な供給不足が同時に存在するペット可物件は、空室リスクを抑えやすく、入居者ニーズを取り込みやすい投資対象といえるでしょう。希少性の高さを活かせば、不動産投資において有力な選択肢となります。

ペット可物件のリスク

しかし、ペット可物件には見落とされがちなリスクも存在します。メリットだけに注目して投資を決めると、想定外の負担に直面する可能性があります。

物件の劣化リスクが高い

ペット可物件でもっとも大きな課題が、物件の劣化です。どれほどマナーのよい入居者であっても、ペットによるダメージを完全に防ぐことは困難です。おもな劣化要因には、床材のひっかき傷やシミ、壁紙の汚れや剥がれ、柱や建具への噛みつき傷、そしてペット特有のにおいの染みつきなどがあります。とくににおいの問題は深刻で、通常のハウスクリーニングでは除去できず、壁紙や床材の全面交換が必要になるケースも少なくありません。

近隣トラブルの発生

ペット可物件では、近隣トラブルの発生頻度も高くなります。LIFULLの調査によると、ペットに関するトラブル相談が「よくある」「時々ある」と回答した割合は合計で約64%に達しています。相談内容として多いのは、「ペットの鳴き声がうるさい」「飼育禁止のペットを飼っている」「共用部でのマナー違反」などです。これらのトラブルは、ペットを飼っていない入居者の退去を招き、結果として空室リスクを高める要因となります。

原状回復費用と機会損失

ペット可物件では、退去時の原状回復費用が高額化しやすく、敷金だけでカバーできない場合もあります。さらに深刻なのが、原状回復に時間がかかることで発生する「機会損失」です。実際の事例では、家賃8万円の都内ワンルームで、ペットのにおいと損傷により原状回復に約2か月半を要しました。その結果、家賃収入の機会損失だけで約16万円、貸主負担の修繕費を含めると30万円以上の実質的損失が発生しています。

ペット可物件のリスクに備える!投資の前の注意点とは

ペット可物件に投資する場合、事前のリスク対策が不可欠です。

原状回復条件を明確にする

退去時のトラブルを防ぐため、「ペット飼育による損耗は借主負担」とする特約を設けることが重要です。あわせて、入居時の写真付きチェックリストの作成や、消臭費用の具体的な金額明記、定期点検への同意取得などを行いましょう。

ペット飼育規則を整備する

飼育可能なペットの種類、頭数、体重制限、共用部でのルールを明確に定めることが不可欠です。入居時にペットの写真を提出させることで、無断飼育や多頭飼育の防止にもつながります。

建物全体をペット可にする

一部住戸のみペット可とする運用は、管理が煩雑になりトラブルの原因となります。建物全体をペット可とすることで、入居者間の認識を統一し、クレームを減らせます。

ペット用設備の導入

足洗い場、防臭・防音設備、リードフックなどを導入すれば、差別化だけではなくトラブル防止にも効果があります。結果として、物件の資産価値向上にも寄与するでしょう。

まとめ

ペット可物件は、需要の高さと供給不足を背景に、魅力的な投資対象であることは確かです。しかし同時に、物件劣化や原状回復の長期化による機会損失など、通常の賃貸物件以上のリスクを抱えています。安定した収益を確保するためには、「需要があるから」という理由だけではなく、リスクを織り込んだうえで戦略的に運用できるかどうかが、投資成功の分かれ目となるでしょう。

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