
これから不動産投資を始めたいと考えている人は、実務に取り掛かる前に用語の意味を理解しておく必要があります。今回の記事では利回りについて紹介します。用語の意味を正しく理解することで、よい判断ができるようになります。自分が不動産投資する目的と照らし合わせて、家賃を設定しましょう。
不動産投資の利回りとは
3つの利回りについて紹介します。重要な判断基準になりますが、それだけで判断しないようにしましょう。人口が流入している地域や入居して欲しい世代が多く住んでいるエリアに物件を用意しましょう。
利回りだけを考えるのはよくない
自分なりの判断基準を持つのは悪くありません。しかし、利回りだけを考えるのはよろしくありません。かえって失敗してしまう可能性があるからです。重要な判断基準にはなりますが、それがすべてではないことを理解しましょう。
収益性を示した比率のこと
1年間空室の状況になることなく家賃収入を得たことを想定した金額を、物件を購入したときに発生した費用で割ったものになります。あくまで1年間入居者がいた場合のシミュレーションなので、必ずしもそのようになるわけではありませんが、事前にシミュレーションしておくことは大切です。
売上が費用を上回ると利益が出ますが、その逆の状態では利益が出ません。初期費用を回収できないということにならないように、正しい判断をしていきましょう。
表面利回り
こちらは、諸経費などを考慮せずに計算したものになります。事業を安定させるためには、諸経費なども含めて計算するほうが好ましいでしょう。
実質利回り
こちらは、表面利回りから諸経費などを引いたものになります。不動産を運用するときは、初期費用だけ発生するわけではありません。税金、管理会社に支払う報酬、保険料などが発生するので、それらの費用も考慮して計算するほうが現実的です。
想定利回り
満室で稼働することを見越して計算する方法です。空室のリスクは避けられないので、空室を埋めるために家賃を安く設定する人が存在します。しかし、あまりにも安く設定すると、空室のリスクは避けられますが、初期費用をいつまでたっても回収できないことになります。
このようなことにならないように、周辺環境の物件の相場を理解した家賃設定を行うことが大切です。
不動産投資における利回りの最低ライン
最低ラインは意識しておきましょう。それは不動産投資の目的により異なります。
都心ほど低くて地方ほど高い
物件の家賃を比較すると、都心も地方も大きく変わりません。しかし、物件を購入するときの価格が大きく異なります。このことから、都心ほど低くて地方ほど高くなります。
ただし、都心の入居率は高くて、地方の入居率が低くなっている現状も踏まえると、家賃と物件を購入するときの価格だけでは判断できなくなります。あくまで、満室経営の状態を想定して計算していることを理解しておきましょう。
新築は低くて中古は高い
新築は建物が老朽化していない状態なので、少々家賃を高く設定できますが、中古の物件よりも大きな価格差が生まれにくくなっています。また、周辺環境の相場も踏まえて家賃を設定する必要があるので、新築は低くて中古は高くなるでしょう。
建物が頑丈になるにつれて低くなる
物件の構造も利回りに影響を及ぼします。木造、鉄骨、RCの順番で低くなるのが一般的です。耐用年数の違いや修繕にかかる費用などが異なるので、建物が頑丈になるにつれて低くなります。
5%程度が目安となっている
最低ラインが5%程度であるといわれています。ただし、不動産投資の目的が個人ごと異なるので、必ずしも最低ラインが5%程度であるとはいえません。安定的な収入を得ることを目的としている人は、5%以上が必要であるといわれています。手元にある現金をうまく活用したい人は5%未満でも問題ないでしょう。
利回りが高くなるのはどんな物件?
思わず生活を送ってみたいと思える物件を顧客に提供することが大切です。
アクセスが良好
こちらは、需要があるので空室のリスクを低減できます。駅やショッピングモールに近い物件がおすすめです。ただし、競合が多数存在するので、差別化を図ることを忘れないようにしましょう。
築年数が浅い
こちらは、家賃が少々割高でも需要があります。築年数が古いと家賃を割高に設定できないだけではなく、管理コストが発生してしまいます。
耐久年数が短い
耐久年数が長いと、収益を生む期間が長くなるので利回りは低くなるでしょう。
空き家が多ければ損する
あくまで満室経営できた状態を想定して計算しているので、実際の状態とは異なります。入居者に満足してもらえるような取り組みが欠かせません。
まとめ
必要な知識は、インターネットや書籍などからいつでも手に入れられます。正しい知識を習得しましょう。どのようなエリアに住みたいと考えている人をターゲットにするのかをイメージできるようにします。
そのイメージを踏まえて、家賃の設定や必要な設備などを考えていきましょう。万全の準備をした場合でも、外部環境で失敗することもあります。常にリスクと隣り合わせであることは理解してください。
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