原則として、公務員の副業は認められていません。しかしアパート経営に関しては、一定の条件をクリアしていれば少額からでもはじめられます。
そこで今回は、公務員がアパート経営するための情報について情報をまとめてみました。「収入を増やしたい」「アパート経営に興味がある」という方は、ぜひ参加してみてください。
アパート経営をするための条件とは
一般的に、公務員の副業は禁止されており、アパート経営に関しても同様です。そのため、万が一規定に反した場合、公務員全体や所属している自治体の印象がマイナスになるだけでなく、減給や免職処分が下される可能性があります。
しかし「ある条件」を満たしていれば、公務員でも副業としてアパート経営ができるようになります。ここでは、その条件について解説します。
規模は4棟9部屋以下
アパート経営が可能になった場合でも、経営できる規模は決まっています。国家公務員法によると、独立家屋数5棟以上・部屋数10室以上だった場合、営利目的と判断されます。
要するに、公務員がアパート経営をするには、4棟9部屋以下の規模でなければいけないということです。土地の賃貸に関しても、賃貸契約数と駐車台数がそれぞれ10件/10台以上になるのは禁止されています。
家賃収入は年間500万円未満
次に年間の家賃収入です。公務員のアパート経営は営利目的であることが禁じられているため、膨大な収入があると不動産投資と判断されてしまう可能性があります。そのため、家賃収入は年間500万円未満に抑えなければいけません。
もちろん、事業を目的とした経営でなくても、年間の家賃収入が条件以上になってしまうと、国家公務員法の規定に反してしまうので注意が必要です。アパート経営をする際は、家賃の上げ下げに気をつけながら、収支のバランスがよい物件を探すようにしましょう。
管理業務は委託する
国家公務員法によって、公務員が管理業務をおこなうことは禁止されています。アパート経営における管理業務とは、入居者募集や賃料の集金、維持管理などが挙げられます。これらはすべて管理会社に任せることが義務付けられており、自身の職務に支障をきたないようにしなければいけません。
この条件に関しては、管理会社に依頼すればよいだけなので、比較的に条件を満たしやすく、トラブルになりにくいでしょう。
もちろん、現状を把握するために、自身が確認し管理会社に伝えることは可能です。あくまで管理業務が禁止されているだけなので、管理が行き届いていない箇所をこまめにチェックするのは問題ありません。
条件の範囲を超えた場合とアパート経営の注意点
公務員がアパート経営をするためには、4棟9部屋以下・家賃収入が年間500万円未満・管理業務はおこなわない、以上の3つの条件を満たす必要があることがわかりました。これらの条件を1つでも満たなかった場合、申請が必要です。
また、アパート経営にはいくつかの注意点も存在します。安心安全に経営するためにも、事前に確認しておきましょう。
必ず申請する
条件の範囲を超えると、申請が必要になります。申請方法は、以下のとおりです。
まず「自営兼業承認申請書(不動産等賃貸関係)」を承認権者に提出します。提出の前に必ず必要事項を記入し、不明な点がないようにしておきます。
次に、必要な資料を準備します。資料は、アパートの図面や不動産状況がわかる不動産登記簿の謄本、賃料収入額を明らかにする賃貸契約書のコピー、アパート管理がわかる管理業務委託の契約書コピーなどが挙げられます。
このほかにも、本人の人事記録の写し・事業主の氏名および本人との続柄・参考資料も必要です。事業主の名義が本人以外の名義だった場合、本人がアパート経営にどれくらい関与しているかも明らかにしておきましょう。
地域によっては必要書類や条件が異なる場合があるので注意してください。
申請が許可されやすい条件
申請が許可されやすい条件というものがあります、不安に感じている方は、自身がその条件に当てはまるかも確認しておくと安心です。
主なケースは、以下の2つになります。
1つ目は「相続」に関する不動産の獲得です。なかには、自身の意思とは関係なく、アパート経営をするケースがあります。それが、遺産相続や生前贈与によって得た不動産です。相続税の対策として効果的な方法ですが、評価額も抑えられて比較的メリットになりやすいでしょう。
2つ目は「転勤」「生活環境の変化」などによる場合です。1部屋もしくは1軒の貸し出しであれば問題なく経営できます。ただし、引っ越す地域が遠くなるにつれて、管理会社との連携が重要になります。
成功するとは限らない
条件を満たしていれば、公務員にとってアパート経営はさまざまなメリットが得られます。一方で、必ずしも成功するとは限らず、確定申告の必要性やリスクに備えるなど、注意点も存在します。また、所得できる不動産にも限度があることをきちんと理解しておきましょう。
アパート経営で成功するためには、自身も経営状態を把握しておくことです。空室がある場合は対策を、地域のニーズに合ったリフォーム計画や定期的なメンテナンスも忘れてはいけません。
たとえすぐに経営をスタートできても、長期的に安定しなければ失敗してしまいます。
確定申告が必要になる
アパート経営で利益が出ると、翌年から確定申告が必要になります。万が一確定申告を怠ると「無申告加算税」が課されるので注意してください。
確定申告の書き方がわからない方は、税理士へ相談するのもおすすめです。アパート経営で発生する費用のなかには、経費として計上できるものも多いので、領収書はしっかり保管しておきましょう。
リスクに備えておくこと
日本は地震や災害が多いため、想定外のリスクに備える必要があります。必ず火災保険や地震保険などに加入し、空室が増えた場合や家賃収入が減少した場合の対策をとっておきましょう。
また、修繕計画よりも早く設備や建物が故障してしまう可能性もあるため、大規模な修繕費に備えて自己資金を多めに用意し、定期的にキャッシュフローを確認しておくことも大切です。
少額でもアパート経営をはじめることはできますが、いつ災害が起こるかわからないので、余裕をもって準備しておきましょう。
アパート経営をするとどんなメリットがある?
条件のクリアやいくつかの注意点はあるものの、公務員がアパート経営することで得られるメリットはきちんと存在します。
ここでは、とくにうれしいメリットを2つ紹介します。
ローン審査にとおりやすい
公務員は、収入が安定しており、国や地域のためのサービスに従事できる社会的信用度の高い業種です。そのため、アパートローンの審査にとおりやすく、低金利での融資も受けやすいといわれています。
これは要するに、少額でもアパート経営ができるということになります。ローン負担を抑えられるので、ほかの業種より安心して経営がはじめられるでしょう。ただし、融資基準・条件・限度枠は金融機関によって異なるため、どこを選ぶかも重要になってきます。
不労所得を得られる
不労所得が得られる点も、大きなメリットでしょう。公務員は営利目的での副業が禁止されているため、収入を増やすには勤続年数を重ねたり、キャリアアップしたりするしか方法がありません。
また、近年は公務員の平均年間給与が減少傾向にあると報告されています。
そのため、収入を増やすなら条件クリアで副業ができるアパート経営が効果的といえるでしょう。管理業務は管理会社に委託できるので、本業がおろそかになる心配もありません。
まとめ
公務員がアパート経営をするために必要なことを紹介しました。副業が禁止されている公務員にとって、唯一条件を満たすことではじめられるアパート経営は、非常に大きなメリットになります。
とくに昨今は公務員の平均年間給与が下がってきているので、収入を増やすにはもってこいといえるでしょう。
ただし、経営に最適な物件選びや想定外のリスクに備える必要があり、必ずしも成功するわけではないことも理解しておかなければいけません。
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