
経営者の多くが「所得税が高い」「将来の会社経営が不安」という悩みを抱えています。この2つの悩みを解決する方法として、注目を集めているのが「不動産投資」です。不動産投資は、節税や相続対策に役立つだけでなく、安定的なキャッシュフローを確保することができます。本記事では、経営者に不動産投資をおすすめする理由やメリット・注意点について、くわしく解説します。
CONTENTS
なぜ経営者こそ不動産投資を実施すべきなのか
不動産投資は、経営者にとって極めて相性の良い資産運用のひとつです。その理由は、企業経営で培った目利き力や資金管理能力が、不動産運用にも生かせるからです。
また、経営者は所得が高くなる傾向にあります。所得が増えるほど税負担が重くなりやすいですが、不動産投資によって減価償却費などの経費計上が可能になれば、所得圧縮による節税が期待できます。
さらに、不動産収入という本業とは別の安定収益を得られることで、経営リスクの分散にもつながります。企業の業績が不安定な時期でも、家賃収入があることで資金繰りの安定を測れるのは、大きなメリットです。
引退後の収入減や相続対策としても活用できることから、経営者にとって不動産投資は長期的な経営戦略の一環としてもおすすめです。
経営者が不動産投資によって得られるメリット
経営者が不動産投資に取り組むことで得られるメリットは多岐にわたります。ここでは、主なメリットを5つ紹介します。
高い所得税を効率よく圧縮できる
一つ目のメリットは、高い所得税を効率よく圧縮できる点です。不動産投資では、減価償却や管理費、修繕費などを経費として計上できるため、税負担を軽減できます。
節税に役立つ仕組みとしては、ふるさと納税や医療費控除、NISA、iDeCoなどもありますが、不動産投資はそれらよりもさらに大きな規模で所得税を圧縮できます。
本業のリスクヘッジになる
企業経営は景気や取引先の影響を受けやすく、売上が不安定になることもあります。その点、不動産投資は、契約期間中であれば継続的な家賃収入が得られるため、安定的なキャッシュフローの確保につながります。
本業の利益が落ち込んでも、不動産収入があることで会社全体の資金繰りを安定させることができます。
不労所得にできる可能性がある
不動産投資といっても、実際の運営や管理を専門の管理会社に委託すれば、自分で動く必要はありません。家賃収入は毎月自動的に入ってくるため、実質的に不労所得の仕組みを実現できます。経営者が本業に専念しながら資産形成を進められる点も大きな魅力です。
ただし、不労所得を手に入れるためには、信頼できる管理会社を見極めることが重要です。ある程度の利回りが望める物件を選定し、評判の良い管理会社に依頼することで、不労所得にできる可能性が高まります。
引退後の収入源として期待できる
引退した後の生活費の確保は、経営者にとって切実な課題です。不動産からの家賃収入は、年金とは異なり自分で金額や管理方針をコントロールできるため、老後の資金源としても有効です。
また、事業を後継者に譲ったあとも、生活基盤を維持する手段として活用できます。事業継承後に業績不振になるリスクの備えとして、長期にわたって一定の収益を生み出す流れを用意しておくことで、引退した後の会社経営にも安心感が生まれます。
福利厚生の一環で社宅として活用できる
所有する物件を役員や従業員の社宅として使用すれば、法人で経費計上できるうえ、従業員満足度の向上にもつながります。とくに役員社宅は、所得を抑えながら快適な住環境を手に入れる方法としても有効です。税制上のメリットも大きく、法人経営と不動産投資をリンクさせる好例といえるでしょう。
経営者が不動産投資を実施するリスク
このように不動産投資には多くのメリットがありますが、一方で無視できないリスクも存在します。経営者として投資判断を下す際には、以下のようなリスクも十分に理解しておくことが大切です。
損失が出てしまう可能性がある
不動産投資は必ずしも安定して利益が出るわけではありません。入居者が見つからず空室が続いたり、想定以上の修繕費が発生したりすることで、収支が赤字に転じる可能性もあります。
また、物件の立地や築年数、周辺環境の変化によっては、家賃の下落や資産価値の減少につながることもあります。とくに初期費用が大きい分、一度の判断ミスが経営や資金繰りに影響を及ぼすリスクもあるため、物件選びとシミュレーションは慎重に行う必要があります。
本業の資金調達に影響を及ぼすこともある
不動産購入のために借入を行うと、企業の信用情報や代表者個人の債務状況にも影響を与える可能性があります。銀行などの金融機関から見ると、すでに多額の借入を抱えている企業や代表者に対して、事業用融資を渋るケースもあります。
つまり、不動産投資に踏み切ったことで、将来的な事業拡大や新規プロジェクトへの融資に支障をきたすリスクがあるということです。本業とのバランスを見ながら、無理のない資金計画を立てることが求められます。
経営者が不動産投資を始めるうえで押さえておきたいポイント
不動産投資は計画的に進めれば大きな成果を得られますが、成功するには事前の準備と戦略が欠かせません。経営者が失敗しないために押さえておくべきポイントを解説します。
始めるタイミングを見極める
不動産投資は長期的に取り組むものなので、始められる環境が整っているのであればなるべく早く始めることが重要です。不動産投資ローンサービスを提供している会社の調査によると、不動産投資家の平均年齢は43歳となっています。最も多い年齢層は30代から50代前半で、全体の6割以上を占めています。
老後を見据えた資産形成をしたいと考えている方は、早めに始めることをおすすめします。
不動産の所有者を検討する
物件を個人名義で所有するか、法人名義で所有するかによって、税金や資産管理の仕方が大きく異なります。法人で所有すれば減価償却や経費の幅が広がり、相続・事業承継にも有利です。ただし、法人設立や運営にはコストもかかるため、税理士など専門家と相談しながら最適な形を選びましょう。
信頼できる不動産会社を見極める
物件の選定から契約、入居者募集、管理運営までをサポートしてくれるパートナー選びは非常に重要です。不動産投資の成否は、情報の質と担当者の力量に大きく左右されます。
収益シミュレーションの精度、過去の実績、レスポンスの速さなどを基準に信頼できる会社を選びましょう。
金融機関を選定する
投資ローンを組む場合、どの金融機関からどの条件で借りるかによって、収益性が大きく変わってきます。都市銀行、地方銀行、ノンバンクなど、それぞれ審査基準や金利設定が異なります。
本業で取引の多い金融機関があれば第一候補となりますが、なかには不動産投資に積極的でない可能性もあります。金利が高かったり、融資自体断られたりするケースも少なくありません。最適な借入先を見つけるためには、複数の金融機関を比較・検討することが大切です。
管理方法を考える
物件の管理を自社で行うのか、それとも管理会社に委託するのかによって、手間とコストのバランスが変わります。経営者が本業に集中するためには、基本的には管理委託がおすすめです。
入居者対応、家賃回収、修繕手配などを任せられる体制を整えておくことで、安定運用と時間の確保が両立できます。
まとめ
経営者にとって不動産投資は、節税や資産形成、リスク分散など、多面的なメリットがあります。減価償却による所得圧縮や社宅活用による福利厚生の充実など、経営に直結するメリットも多く、本業とは別の安定した収入源を確保できる点も魅力的です。その一方で、投資には空室や資金繰りといったリスクも伴うため、信頼できるパートナー選びが重要です。物件の選定から管理運営まで、サポート体制が充実している不動産会社を選ぶことで、長期にわたって安定した資産を築くことができるでしょう。本記事が参考になれば幸いです。
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