
将来の不安を軽減するために、不動産投資を考えている方もいるでしょう。最近はサラリーマンの投資家も増えており、以前よりはじめやすくなっています。しかし、不動産投資にはさまざまな手法・種類があるため決して容易ではありません。そこで今回は、初心者向けの始め方をまとめてみました。投資を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
不動産投資は安定している?
ひと昔前は、不動産投資家=地主・富裕層がほとんどでしたが、2001年に出版されたロバート・トヨサキ著書の「金持ち父さん・貧乏父さん」がきっかけで、近年はサラリーマンの不動産投資家が増えています。
不動産投資は、株やFXと比べると安定しており、リスクもほとんどありません。そのため、誰でもはじめやすいのが大きな特徴です。
入居者が定着した場合
購入した不動産を賃貸または売却することで、収益になります。ほかの投資と比べて景気などの影響を受けにくいため、入居者さえ定着すれば安定した収入が得られるでしょう。
しかし、ゼロリスクかといえばそうではありません。事業計画書を作成したり、事前にしっかり学習しておくことが大切です。
事業計画書を作る
不動産投資をはじめるには、事業計画書の作成や投資に適した物件を購入することが大切です。
事業計画書とは、事業に関する戦略をまとめた書類です。資金調達方法や事業の見通しなどを記載し、きちんとシミュレーションすることで、賢く不動産投資をはじめられます。
資金計画書は「日本政策金融公庫」のホームページからダウンロードできますが、知識がある方は、エクセルやパワーポイントを使って自分で作成することも可能です。
ただし、ページ数が多くなりすぎると読むのが大変なので、要点をまとめて6~8ページ程度に抑えましょう。
目標を設定する
不動産投資は手法や選択肢が幅広いので、安易にはじめると失敗します。とくに初心者は、目標を明確にし、参考書を読んだりセミナーに参加したり、経験者の力を借りることも大切です。
また、ひとつのやり方にこだわらず、さまざまな投資方法に目を向ける必要もあります。そうすることで、自分に合った手法が見つかりやすくなるでしょう。
迷ったときは、ライフサイクル表を書き出すのもおすすめです。
メリットとデメリットは?
ほかの投資と比べて収益は得やすい不動産投資ですが、メリットばかりではありません。ここでは、メリット・デメリットの両方を紹介します。
まずメリットは、安定継続した収入や融資で投資物件が買えることなどです。毎月決まった家賃収入が見込めるので、株やFXのように景気や外部要因に影響されません。プロに依頼すれば、より賢く投資活動ができるでしょう。
ほかにも、インフレに強い・税金をコントロールできるなどのメリットもあります。
一方でデメリットは、ある程度の初期費用が必要な点です。一般的に100万円単位の自己資金を用意することになるので、無収入でのスタートはむずかしくなります。金額が大きいと同時に、失敗したときにダメージが大きいのもマイナスです。
ほかにも、手間がかかることや流動性が低いことなどのデメリットもあります。
不動産投資の種類を知ろう
不動産投資で選べる物件は、多岐に渡ります。そのため、自分に合ったものを選ぶことで、プラスの収益になりやすいでしょう。
ここでは、一般的な不動産投資の種類について紹介します。
区分マンション
区分マンションとは、マンションの1戸もしくは複数戸の物件のことをいいます。一棟マンションと違い初期費用が少ないので、初心者でもはじめやすいのがメリットです。
なかでもワンルームマンションは、手放したあとも売却しやすく人気があります。入居者がいない場合、家賃収入が得られないのがデメリットですが、一棟マンションを購入するよりリスクが低いので初心者におすすめでしょう。
マンション・アパート1棟
マンション・アパート1棟を購入し、各部屋を入居者に貸し出すことで収入が得られます。しかし、区分マンションと違い初期費用が高いため、ローンを組んで購入するケースがほとんどです。
また、空室がなければまとまった収入になりますが、空室ができると大幅にマイナスになるので気をつけましょう。部屋数が多いほど、維持管理費も高くなります。
初心者でも、本業の収入が多い方におすすめです。
戸建て
マンションやアパート以外に、戸建てを購入する方法もあります。初期費用は物件によって異なりますが、安価な物件は老朽化が心配されるため、入居者を獲得するのが困難です。
リフォーム&リノベーションした場合の費用もかかるため、安すぎる物件は避けたほうが安心でしょう。
戸建てを投資するメリットは、一度入居者が決まると長期的な収入が見込める点です。一方で入居までのハードルが高く、購入してから何年も入居してもらえないケースも少なくありません。
そのため、ファミリー層向けやシェアハウスを運営したい方などにおすすめの方法になります。
駐車場
不動産投資は、物件だけではありません。所有している土地を利用して、駐車場を経営することもできます。
駐車場経営のよいところは、工事などの手間がかからず、マンションやアパートと比べて初期費用が安い点です。
しかし、個人の土地は駐車できる台数が限られているため、満足のいく収入が得られない場合があります。土地の評価も更地と同じなので、固定資産税の軽減措置が受けられないのもマイナスでしょう。
おすすめは、コインパーキングなどの規模が大きい駐車場です。設備の設置が必要ですが、運営会社が負担してくれるので煩わしさがありません。
コインランドリー
所有している土地は、コインランドリーの経営も可能です。建築や設備の準備が必要になるため、初期費用は高くなりますが、維持費が安収益アップにつながりやすいので初心者でも投資しやすいでしょう。
ただし、マンションやアパートのようなまとまった収入は得られないため、ちょっとした副収入が欲しい方に向いています。
現金or借金?個人or法人?
どのような方法で購入するかも、不動産投資をするうえで知っておかなければいけません。ここでは、現金or借金/個人or法人のどちらがおすすめかを紹介します。
現金で買うか、借金で買うか
どちらの方法でも、投資ははじめられます。しかし、現金の場合、まとまった自己資金が必要になるため、年収が高くないとハードルが高くなります。同時に、回収にも時間がかかってしまうでしょう。それは、初期費用が少ない投資でも変わりません。
たとえば、利回り20%の物件の場合、自己資金を回収するには5年かかるといわれています。20%以下にしたとしても、大きな資金にならないので気をつけましょう。
一方で借金をして投資をする場合、返せる金額であれば負担になりません。リスクはありますが、現金で購入し、何年もかけて自己資金を回収するよりは安心です。
二者択一で考えるのではなく、自身の年齢や年収、投資効率なども考慮して、最適な方法を選んでください。
個人で買うか、法人で買うか
個人or法人では、それぞれのメリットを知っておくと選びやすくなります。
個人で物件を購入する場合、個人でしか使えない住宅ローンの商品が買えたり、マイホームを安く買って高く売ったりすることが可能です。また、ルールの範囲内であれば、賃貸併用住宅等を収益と絡め、キャッシュを増やすこともできます。
しかし、住宅ローン以外の物件は売却益にかかる税金が高いため、注意が必要です。とくに5年以内に売却する場合、キャッシュが残しにくくなります。家賃収入も、本業の所得に合算されるので気をつけましょう。
法人で物件を購入する場合、税金のコントロールや経費の計上がしやすいなどのメリットがあり、相続もスムーズです。自身を保証人にすることで、安全に融資が受けられるのもうれしいでしょう。
一方で、法人設立や維持にお金がかかります。
まとめ
初心者でも安心・安全にはじめられる不動産投資について紹介しました。ひと言に不動産投資といっても手法や種類はさまざまです。安い初期費用ではじめられる投資もあるため、最近はサラリーマンの投資家も増えていますが、リスクがあることも十分理解しておかなければいけません。事業計画書を作成したり、参考書を読んだり、事前に学習することで、初心者でも賢く不動産投資をはじめられるでしょう。失敗をとおして、スキルを積み上げていくことも大切です。
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