「戸建ての不動産投資は儲かるのか?」と疑問に感じる方も多いでしょう。戸建て投資には、安定した収益や資産価値の維持が見込めるメリットがある一方で、空室リスクやメンテナンス費用といったデメリットも存在します。本記事では、戸建て不動産投資のメリット・デメリットを分かりやすく解説します。
戸建て投資の種類や利回りは?
戸建て投資には、新築と中古の2種類の選択肢があり、それぞれ特徴と利回りに大きな違いがあります。それぞれの特徴について見ていきましょう。
新築戸建て投資
新築戸建て投資は、物件価格が数千万円と高額になることが多く、最新設備や高い居住性能を備えているため、安定した家賃収入が期待できます。また、新築物件はファミリー層に人気が高く、賃貸需要も高い傾向にあるため空室リスクも比較的低く抑えられます。
しかし、価格が高いため利回りは低くなる傾向にあります。また融資も受けやすく、税制優遇も利用できる点がメリットです。しかし、近年では新設住宅の着工数が減少し、優良物件の取得難度が増すことが懸念されています。
中古戸建て投資
中古戸建て投資には「築古戸建て」「ヤドカリ投資」「空き家投資」といった異なる投資方法があります。中古物件は数百万円台から購入できるものも多く、物件価格が安いため利回りが高くなりやすい傾向にあります。
また、中古戸建て物件は新築と比べて選択肢が多く、自分の投資方針にあった物件を見つけやすい点が魅力です。築古戸建てではリノベーションや修繕にコストがかかる場合があるものの、物件価格が低いため、利回りの観点からも利益が出やすいとされています。
戸建て投資の利回りについて
投資家が注目する利回りについて、新築・都心物件と中古・地方物件を比較すると、家賃と物件価格の関係から利回りが大きく異なるのがわかります。たとえば、新築の都心物件では5.5%ほどの利回りが期待できる一方で、中古の地方物件では12%と高い利回りが見込めます。
ただし、高い利回りだけを重視すると、空室リスクや修繕費用などのリスクを見逃してしまうことがあるため、物件の選定時には立地や築年数、物件構造などを総合的に検討する必要があります。
戸建て投資のメリット
不動産投資の中でも、戸建て投資はほかの物件形態と比べて独自の強みを持っています。
ファミリー層の人気が高い
先述したとおり、とくにファミリー層に向けた賃貸物件としての需要が高く、長期的な入居を見込める点は大きなメリットです。ファミリー層や子育て世代の多くは安定した環境を求め、長期間住むことが多いため、戸建て物件を所有することで安定した家賃収入を得やすいという特徴があります。
土地が自己資産になる
戸建て投資は、マンションなどの区分所有とは異なり、戸建てには土地の所有権も付属していることが一般的で(借地を除く)、その土地自体が将来的に価値を持ち続ける可能性があります。
建物が古くなり価値が下がった場合でも、土地は売却や転用といった選択肢があり、出口戦略の幅が広がるでしょう。このような土地の付随価値があることで、長期的な資産形成にもつながります。
ランニングコストが低い
戸建て物件はマンションと比べてランニングコストがかかりにくい点も特徴です。
マンション投資は、管理組合によって毎月の修繕積立金や管理費が決められており、所有者が管理組合の方針に従う必要がありますが、戸建て投資であればこうした費用がかかることは少なく、自主管理によって管理費も抑えることが可能です。
もちろん、管理を委託する場合は費用が発生しますが、管理方法の自由度が高いのが利点です。
中古の戸建てなら購入資金が安く済む
新築戸建ては高額な資金が必要ですが、中古戸建てであれば比較的低額で購入できる物件も多く存在します。
物件によっては1,000万円以下で購入できる場合もあり、少額から投資を始めたいと考える方にとっては始めやすい選択肢となるでしょう。このような手頃な価格での購入が可能な点からも、初めての不動産投資としても人気があります。
戸建て投資のデメリット
戸建て投資は、低価格で購入できる中古物件を活用した投資方法として注目されていますが、いくつかのデメリットも考慮する必要があります。
中古の戸建ては修繕費用がかかる
中古物件は安く買えるのが魅力ですが、建物の状態によっては修繕費用が高くなるリスクがともないます。古い物件や長期間空室だった物件では、屋根や外壁の劣化、配管や電気設備の老朽化など、外観からはわかりにくい内部の劣化や隠れた問題が進行していることが多く、予想を超える修繕費が必要になるケースも珍しくありません。
これらの修繕には高額な費用がかかるため、事前に建物の詳細な調査(ホームインスペクション)を行うことが重要です。ただし、売主が契約前の調査を拒否することもあるため、投資前に確認しておくべきでしょう。
銀行から融資を受けにくい
中古物件の購入では、銀行から融資を受けにくいという課題があります。融資の評価は築年数や建物の状態にもとづいて行われ、築年数が経過した物件や、建物評価が低い物件は融資が下りにくい傾向にあります。
そのため、資金計画をしっかり立て、自己資金の準備を行っておくことが必要です。とくに、戸建て投資の場合、自己資金比率が高く求められることが多いため、慎重な資金計画が求められます。
空室になると収入が途絶える
アパートやマンションのような複数世帯の物件では、一部の空室があってもほかの部屋からの家賃収入で補えますが、戸建て物件は基本的に一世帯のみの入居を前提としているため、空室になるとその分収入が途絶えてしまいます。このため、空室リスクを考慮したうえで、立地や需要の高いエリアに投資することが重要です。
まとめ
戸建て投資は、長期的な入居による安定した収入、土地付きの物件としての資産性、そして低いランニングコストなど、ほかの物件にはないさまざまなメリットがそろっています。しかし、物件によっては修繕費、融資の難易度、空室リスクなどのリスクがあるため、デメリットを理解し、しっかりと対応策を講じる必要があります。戸建て投資は、ファミリー層をターゲットにした投資戦略を取ることで、堅実な不動産運用が期待できるため、今後も注目される投資手法として考えられるでしょう。
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